保育間伐(ほいくかんばつ)とは
保育間伐とは、植栽後の若い人工林で、将来育てる木の成長を促すために、混み合った木を間引く作業です。いわば、若い森を健やかに育てるための「森の手入れ」です。
畑の作物の時間の流れは、おおよそ一年です。種をまき、芽が出て、育ち、実りを迎えるまでの間に、混み合った苗を間引きながら、一本一本が十分に育つように整えていきます。
一方、樹木の時間の流れは100年。森づくりは、人の一生よりも長い時間をかけて進みます。
植えられた木々も、10年、20年と成長するにつれて、枝葉が重なり合い、光や風が届きにくくなります。そこで、成長の節目ごとに混み合った木を選んで間引き、残された木に光と空間を与えます。これが「保育間伐」です。
間伐した木は、木材として活用されたり、森の中で朽ちて次の命を育む土台となったりします。
保育間伐は、単に木を伐る作業ではありません。森の未来を育てるために、一本一本の木に「余白」をつくる仕事です。
余白が生まれると、木は空に向かって枝を広げ、根を深く張り、より力強く成長していきます。林床には光が差し込み、草花が芽吹き、土の中では微生物が活発に働き始めます。森全体に、新たな生命の循環が生まれます。
成長には、余白が必要です。
その余白の中から、木々の力が、泉のようにこんこんと湧きあふれてきます。
保育間伐とは、森に余白をつくり、木々の持つ力を引き出す仕事です。一本一本の木が健やかに育つことで、森は水を育み、土を守り、海へと豊かさを届けていきます。
私たちは、100年先の森のために、今できる手入れを続けています。




